レポート
プレシャスプラスチック福井の産声
代表黒田のnoteの記事は↓こちらです。こっちの方が読みやすいとは思います。
【noteの記事】
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さっそくですが、プレシャスプラスチックという活動・コミュニティをご存知?
10年ほど前、オランダのある男性が始めたプラスチックリサイクルの活動。それが、Precious Plastic
プラスチックゴミを再利用するための粉砕機や押出機、射出成形機などなどの機械を自作・オープンソース化したことで、世界中で真似できる状態になり、実際共感した世界中の人がその土地土地で機械を作り、その土地のプラスチックゴミをリサイクルしたものづくりなどを行っています。
世界のプレシャスプラスチック参加者マップ
世界中で取り組まれているプレシャスプラスチックの活動報告
日本では、2016年に鹿児島のダイナミックラボの管理人?でもあるテンダーさんがスタートしたのを皮切りに、逗子や鎌倉、広島、福岡・・・と、プレシャスプラスチックの活動を行う方や地域が増えてきています。
なぜプレシャスプラスチック福井をやろうと思ったのか。
私は、起業しようと思い退職する前まで、プラスチック製品の設計開発の仕事をしていました。
住宅を建てる時に使われるプラスチック部材の設計をしたり、実際に金型を使って量産したりと、数十万という規模でプラスチック製品を生み出していました。
プラスチック製品を作るとき、基本的には石油から生成した使用するのが一回めの材料「バージン材」を使うことが、プラスチック成形ではごくごく当たり前。
かといってリサイクルした材料「再生材」も結構な量使います。月数十トン単位。
外観が重要な商品だから「再生材」ではなく「バージン材」じゃないとだめ。とか、意匠で使われる製品ではないから「再生材」でも良い。といった材料選定を行い、時には「バージン材」と「再生材」を混合して成形します。
ここでポイント!
「再生材を使うメリットは、コストが安いから!」
少なくとも私の会社ではそうでした。
実際問題、再生材はいろんなプラスチックの材料が混ざる関係上、「黒」が多かったり(外観不良率が下がる)、バージン材に比べて物性が悪い。ということはある。
再生プラスチック材料(再生材)=B級品
というのが、業界の常識なんです。
でも、SDGsだなんだといってる今の時代の流れ的には、ちょっと違和感感じません?
私は、会社の事業として1年ほどリサイクルプラスチック事業にも携わっていたのですが、リサイクル業界としても再生材は安いことが当たり前。という感じです。
映画「プラスチックの海」
写真出展:https://mainichi.jp/articles/20190714/ddm/010/040/021000c
私がちょうど一年ほど前に書いたレビューnote
渋谷の小さな劇場で上映されていた映画で、世界中で起きているプラスチックゴミ問題を取り上げた作品
街で生活する以上は、プラスチックを使わない生活を送ることが、不可能なことがわかったり、世界中から受け入れたゴミの山から発生するガスを吸いながら肺気腫になる可能性と闘いながらもお金になるものを掘り出して生活している人がいる話などなど、かなり衝撃的な内容の映画です。
マジで、福井でも上映してほしい!!そしてみんなに見てほしい。
昨今のSDGsの流れも相まって、「プラスチックは悪だ!だから、脱プラだ!」という論調もあったりするのですが、ちょっと疑問。
これまで長い年月プラスチックを活用してきて、未だにたくさんのプラスチックを利用し続けているのに、いきなりプラスチックを使わない生活を送れるわけがないと思うんですよね。
むしろ、上手に付き合っていくべき対象なのだと。
ある研究者が言っている言葉で、
「これまで人間が使用してきたプラスチックのごみをリサイクルすることができれば、これから先私たちが使用するプラスチックを全て賄える。つまり石油から生成したプラスチックを使う必要はない」的な内容。
じゃあ、なぜそれをしないのか。それはコストの問題とか、外観の問題とか、物性の問題。ということになるわけです。話がちょっと戻ってきた。
コストはともかく、外観と物性って、誰が決めてるの?って考えてみると元を辿れば、私たちユーザーが決めてるんですよね。
ユーザーが求める機能や品質を追い求めた結果が、例えば「バージン材」で成形した物しか外観要求を達成できないので、販売できない。ということになっている。
コスト問題については、ブランディングとか、機能付加とか、やりようはあると思うし、時代的にもバージン材は使わないようにしようね。となれば、必然的に再生材を使う量が増えていくはず。そして流通量が増えればコストも自然と下がるはず。
福井の海のゴミ問題
東京で働いていた頃に、リサイクルに携わっていたのですが、その時出会った会社テクノラボさんが作られている海洋ゴミから作られたプロダクト「buoy(ブイ)」
そして、そのつながりで知った地元福井の若狭湾の海ごみ問題に取り組んでいる団体「アノミアーナ」
福井に戻ってきてから、実際にアノミアーナの代表西野さんにお会いしにいき、海ごみ問題の話などをさせていただきました。
左:tetoki店主の高野さん 真ん中:私 右:アノミアーナ代表の西野さん
若狭湾の某砂浜にて。
小さなプラスチックゴミが絡まってた。
アノミアーナさんとしても、かなり活発に活動されていて、海の清掃活動で集めたプラスチックゴミで、メガネやお皿などを協力会社と共に製造し、販売しています。すごい。
実績ある活動をされている方が、同じ福井にいるということに心強さを感じたと同時に、プレシャスプラスチックの活動を本格的に福井でやりたいという気持ちが強くなりました。
海の清掃活動って、ボランティアベースでやってることが多いので、海をきれいにしたい!とか環境意識が高い人だけが参加することが多いですが、
プレシャスプラスチックの活動によって、海ごみから作られたものが製品になり、販売することで収入になる。ということが分かれば、「お金儲けのために、海の清掃活動を頑張る!」ということに繋がり、結果的に参加者が増えるだろうなと思っています。
これから本格的にスタートします!
プラスチックの成形に携わってきた人間として、リサイクルをちょっとだけかじった人間として、ものづくり工房を運営する人間として、Fabに関わる人間として、人と関わりながらネットワークを広げていくことに喜びを感じる人間として、
「福井でプレシャスプラスチックをやるぞ!」
って言える人は私以外にいないんじゃないかなと思ってます。#勝手な責任感 #思い込み激しい
というわけで、
「プレシャスプラスチック福井を立ち上げ、福井の人たちのプラスチックゴミ問題への関心を高める活動に取り組むことをここに宣言します!」
というわけで、早速本家Precious Plasticのサイトに、TONKAN terraceをプレシャスプラスチックのメンバーとして登録しました!
→Precious Plastic のマップ
活動に参加していただける方、募集しています!
私がこれから発信していく活動内容については、noteまたはTONKAN terraceのウェブサイトにて報告していく予定ですので、ぜひ注目していただけると嬉しいです。